『天晴パラダイス青信号〜アーウィンは2度死ぬ』作品解説 <出演> アーウィン探偵長・・山本泰弘 ドッペル将軍・・・・佐藤正和 ロビン少将・・・・・金子伸哉 カルビ総統・・・・・太田恭輔 宣教師ヨハネ・・・・蘭 真人 <ストーリー> 世界の果てまで広がる噂、それは、ナイル川の源流にあるカンパラ山の洞窟に、古来より人類の夢である永遠の命を授かる泉があるというものだった。 厚木市のアーウィン探偵長(山本)は、ヨーロッパの貴族が所有する「ガリレオの地球儀」にナイルの宝の地図が隠されていることをつきとめ、地球儀が優勝賞品になっているギリシャでのカーレースに参加していた。見事レースに優勝したアーウィンだったが、ナイルへ向かう道中、仲間は旅好きの宣教師ヨハネ(蘭)しかいない上、盗賊アリババ(太田)や力士くん(金子)らナイルの泉を狙うライバルと出会い、苦しい旅を続ける。 一方、アーウィン宿命のライバル・ドッペル将軍(佐藤)と部下ロビン少将(金子)は、エジプトの制空権を握るカルビ総統(太田)の警戒区域に侵入していた。アーウィンがエジプトに侵入したことを知り、ドッペルはカルビ総統と一時休戦し、手を組む。 延々と続く砂漠地帯をようやく通り越えたアーウィンに、ドッペルが差し向けた刺客のゴルゴ(蘭)や洞窟の魔物ヨシヒコ(金子)などが次々と襲いかかるが、アーウィンはこれをあっさり振り切る。ドッペルも巧みな謀略でカルビ総統を倒し、ナイルの泉を前にして、いよいよ2人の最後の対決が始まろうとしていた。 <解説> 天晴パラダイスシリーズ第5弾。元々はこのアーウィン探偵長の冒険シリーズが主流で、96年のこの作品以降は別バージョンで2回上演しました。アーウィンと敵役のドッペルがお宝をめぐって対決する構図はいつも変わらず、それぞれ敵味方が毎回色んなキャラで登場(ヨハネ、ゴルゴ、仙人はレギュラー)します。 また、今回もいきなりカーレースで始まり、砂漠からエジプトの奥地へ向かう舞台設定なので、やはり大・小道具・仕掛け物がワンサカ出てきました。首長族、スフィンクスに、実際に水がしたたり落ちる滝、様々な動物たちなど。 それにしても、一見どう見てもさえないアーウィンと狂気の魔王として君臨するドッペルが対等に戦うのはこの作品の不思議なところです。そもそもがドッペルの部下はひどい。今回右腕として登場のロビンって猫ですからね。で、ロビンの軍はニャンニャン部隊なんて名前だし、ドッペル軍不利と見るとすぐ裏切るし。いつも出る殺し屋のゴルゴにいたっては今回寄生獣になってて、右の意識だけ刺客で、左は三波春夫の『おまんたばやし』を歌ってるという、「そりゃ勝てねえよ、ドッペル軍!」 という声が聞こえそうです。 ちなみに今回鎌倉は旅芝居でお休み。ともあれ、いつか再びこのアーウィンシリーズを上演する日が来るのでしょうか。お楽しみに。 |